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間接照明で癒しの空間づくり -前編-

写真:AKARI(Design:Isamu Noguchi)
日本人の美意識と合う「間接照明」
江戸時代の照明器具といえば、行灯(あんどん)。
最近では、風情のあるおしゃれな和風旅館などでもよく見かけますね。
行灯は、光源の炎が消えないよう、竹や木などで作られた枠に和紙を貼って作られたものです。日本特有の美意識である“侘び・寂び”の世界にも欠かせないもののひとつです。
炎の柔らかな光が和紙を通してほんのりと灯り、その光と陰影が空間に広がりをもたらしてくれます。
この光と影による空間の広がりに、心が癒される方も多いのではないでしょうか。
職場や勉強部屋では明るい蛍光灯のほうが作業効率も良く、目も疲れにくいのですが、
自宅に帰ってゆったりとくつろぎたいとき、バスルームでゆっくりと疲れをとりたいときなどは
やはり明るさを抑えた照明と安らぎのある空間で過ごしたいものです。
そこでこのブログでは、2回にわたって間接照明にスポットをあて「癒しの空間づくり」についてご紹介します。
間接照明とは、光源からの光を天井や壁に反射させたり、光源を何かで被ったりして周囲を照らす方法です。住まいでよく使われる蛍光灯などの直接照明と違って、柔らかで優しい雰囲気の光を作ることができます。行灯の明かりの効果でもわかるように、暗い空間に間接照明の柔らかな光を採り入れると天井や壁に立体的な陰影が生まれ、それが幻想的な癒しの空間になるわけです。

写真:間接照明を活かしてリビング空間に奥行きをつけます
行灯だけでなく、雪見障子などのインテリアに見られるように、日本人はもともと間接照明の技を持っていて、光と影のメリハリを楽しむことのできる民族でした。ところが、戦時中、白熱電球を被って明かりを隠すという生活を経験したことによって、戦後は明るい照明へのニーズが高まり、蛍光灯が普及することになりました。眼の黒い日本人は欧米人と異なり、光を受け入れやすい体質のため、蛍光灯の明るさが合っていたことも普及した一因でした。
一方、欧米では、キャンドルなどを使った間接照明が一般的です。とくに夜の長い北欧の生活では、さまざまな間接照明のテクニックが見られるので大変参考になります。
ちなみに、キャンドルの炎は蛍光灯などに比べて赤みが強く、暖色系なので、心理的に温かみを感じさせてくれます。夜は、こうした赤みのある暖色系の光がベストとされていますので、照明がもたらす心理的な影響も考えて、間接照明を効果的に使うことが大切です。
間接照明を採り入れるポイントとしては、まず、必要なところに必要な光を採り入れることです。照らしたい場所はどこか。壁なのか、天井なのか、部屋のコーナーなのか。その場所を決めたうえで、どのような手法と器具で照らすのが効果的かを考えましょう。
次回は、その具体例とポイントをご紹介いたします。
